千葉県産の欅を使って子供用の茶碗を製作中です。
子供用茶碗の既製市販品だとプラ製のものが少なくありませんが、最近うちの長男が飯を良く食べるようになり、何だか今使っているものが使い難そうに見えたので手のサイズに合わせて自作してみることにしました。
まずは裏面(底面)から加工していきます。高台の部分は後程チャックで掴むために最終寸法より大きく残しておきます。高台以外の部分は400番までサンディングし、概ね仕上げてます。
大きめに残した仮の高台部分をチャックで掴み、表面の加工です。お椀作りの際には、通常のものよりゴツくて強力なジョーをチャックに取り付けて使用しています。
今使っている茶碗とサイズを比べながら進めます。やや拡げた縁にしますので、その部分はやや肉を余分に残して置き、後程帳尻を合わせます。上の3枚目の画像は、サンディングする前、刃物での仕上げが済んだ状態です。刃物でこれくらいまで追えれば、サンディングの時間が短縮出来、仕上がりも綺麗です。
今回の茶碗作りにあたり、今使っているものと比べて改善する点は…
直径をやや小さく
容積は少し減らして綺麗に山盛り出来るように
手のひらにフィットするよう、外形と高台を造形
こんなところです。諸々をイメージしながら進めます。漠然と加工していると、あっという間に木が無くなります(笑)
上の画像1枚目はサンディングを済ませた状態。320番→400番で終了です。刃物で逆目が取り切れなかったり、僅かな凸凹を残してしまった際には240番から始めます。一応、工房には120番も用意していますが、ほとんど使うことはありません。
表面の加工も済んだら、保留していた高台の加工に入ります。
またしても特殊なジョーをチャックに装備します。見ての通り、簡単な保持ですので出来ることには限りがあります。制限速度(回転数)も決まっています。無理をすると事故が起きます。
大きめに残していた高台を整えていきます。この作業を行う前に、使う人(今回はうちの長男)に茶碗を持たせ、具合を見ます。まずは高台を根元に向かって絞るように削り、その後高さを合わせます。人によって感じ方はそれぞれでしょうが、高台と本体のバランスで見栄えの良し悪しが大きく変わるように思うので、慎重に進めます。
高台の外側が出来たら、内側です。ここは指が引っかかる部分ですので、ある程度掘り込んでやる必要があります。今回は高台の形状に合わせて鋭角に掘り込みましたが、ラウンド形状に丸く掘っても良いわけです。形になったら、サンディングします。
大人が持つと小さい。
内側。底の肉には余裕があり、まだ深く掘れますが、深ければ良いという物でもありません。「適当」なところで止めるのが重要。
逆目がなく粘り強い良材でした。仕上がりも綺麗。
比較。
拭き漆で塗装します。伊勢早漆にしました。
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